Dante録音のセットアップガイド - Synthax Japan Inc. [シンタックスジャパン]
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Dante 録音

Dante録音のセットアップガイド

Dante経由での録音は、特にライブ録音のシチュエーションで使われます。Danteオーディオ・インターフェイス「Digiface Dante」が登場した事で、安定性や信頼性が向上し、Danteを直接録音することがより現実的になりました。

ここではPAさんの手を煩わせることなくスマートにDante録音を行う方法を紹介していきます。

 

セットアップ

まず製品に同梱されるセットアップ・ガイドを参照し、ドライバーおよびDante Controllerをインストールしてください。

両方のインストールが完了したら、Dante Controllerを起動してインターフェイスの設定を行います。

初回起動時はDanteで使用するLANポートを選択するダイアログが表示されます。

 

Dante Controller - choose interface

 

プルダウンに複数のポートが表示されると思いますが、通信が行われている(ダイアログ内のLEDが緑色に表示される)ポートを選択してください。

接続に使用しているLANポートがわからない場合はコントロールパネルより確認も可能です。(Windowsは「コントロール パネル\ネットワークとインターネット\ネットワーク接続」、Macは「システムレポート/ネットワーク/BSDS装置名)

 

事前に環境の確認を行う

Danteネットワークに接続した時に、自分の持ち込んだ機材がネットワーク上で正しく認識されないと、FOH上でエラー・メッセージが表示されることがあります。エラーが表示されてしまうと、PAさんからの信用を失い作業がしずらくなる上、最悪の場合接続を拒否されることもありますので、持ち込む機材は事前にチェックして最低限のセットアップは行ってから当日に望むことが必要です。

 

Switched接続、Redundant接続

Dante接続の方法としてSwitched接続とRedundant接続があります。

 

Dante - Swtched

 

Switched接続は、リダンダント(バックアップ回線)を使用せず各機器を1対1で接続します。

Danteネットワークは、スイッチング・ハブを中心にスター接続で配線することが基本です。

 

Dante - Redundant

 

リダンダント接続は、各機器にそれぞれメイン回線(Primary)とバックアップ回線(Secondary)を接続します。

接続方法はSwitchedと同じですが、Redandantではスイッチング・ハブを2台用意して各機器のSecondary端子に接続していきます。

事前に現場でどちらの接続になるか確認できればあらかじめDante Controllerで、使用する機器(ここではDigiface Dante)の設定を「Dante Redundancy」メニューで合わせておくことができます。

Dante Controllerの初期画面上に表示される製品名(Digiface Dante)をダブルクリックするとDevice Viewが表示されますので、上部のタブで「Network Config」を選択して「Dante Redundancy」設定を任意の値に設定します。

 

Dante - Redundant Setup

 

どちらの設定の回線をもらえるかが事前にわからない場合は、現場で確認してネットワークに接続する前に自身のデバイスを設定します。

 

クロックの設定

ライブ録音の現場では、必ずと言って良いほどFOHがクロック・マスターになっています。よってDigiface Danteは、スレーブとして接続します。もしDigiface Danteの設定がマスターのままDanteネットワークに接続する場合、接続したと同時にシステムのマスターになってしまう可能があります。このシチュエーションは必ず避けたいので、事前に「Clock States」画面で「Preferred Master」のチェックが外れていることを確認します。

 

tl_files/images/tutorials/dante/clock.png

 

ここまでで事前準備は終わりです。

最も健全なシナリオとしては、本番前に担当のPAの方とコンタクトをとり、打ち合わせをしておくことが問題の未然防止の最有力手段となるでしょう。

 

当日のセットアップ

 

ステージボックスから信号を受け取る

現場に到着したら、会場に設置されているスイッチング・ハブからLANケーブル(CAT 5e以上)でDigiface Danteに接続します。 

 

tl_files/images/tutorials/dante/connection.jpg

 

Dante Controllerの設定 - Clock設定

Sync状態を確認するため「Clock Status」タブをクリックします。

 

tl_files/images/tutorials/dante/clock.jpg

 

こちらの画面で「Sync」が緑色になっていればSync完了です。

 

ルーティング

次にDante Controllerでステージボックスの信号をDigiface Danteにルーティングします。

 

tl_files/images/tutorials/dante/open_receiver.png

 

左側が受信(Receivers)機器なので、左側からDigiface Danteのツリーを開きます。関係のないデバイスは決して開かないように気をつけましょう。

 

tl_files/images/tutorials/dante/routing.png

 

上の列が送信側(Transmitters)なので、ステージボックスのツリーを開きます。Digiface Danteの名称とステージボックスの名称がクロスするポイントを[Control]ボタンを押しながらクリックすると、全てのチャンネルが1:1でルーティングされます。任意のチャンネルをDigiface Danteの入力にルーティングする場合には、チャンネル毎にクリックしてアサインをします。1:1で一括設定されたルーティングを削除するには、クロスするポイントを[Control]ボタンと[Shift]ボタンを押しながらクリックします。

以上で、Danteのルーティング設定は終了です。DAWを設定して入力があることをご確認ください。

備考:Danteを導入されているPAの皆様は、Dante ControllerでFOHをLockすることができますので、こういった録音部隊が設定を変更してしまうことを防ぐことができます。ステージボックスの設定のみオープンにすれば、お互いにアクシデントのない作業ができますので、是非ご活用ください。

 

※ DanteとMADIを混在させる方法については以下のチュートリアルをご覧ください。

DanteとMADIを混在させる方法

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